(地球の裏側アルゼンチンで)
日本旅館の本棚にあった、他の山本文緒さんの小説
「プラナリア」と「パイナップルの彼方」も読みました。
3冊に共通してそうだったけど、読んだあとに、ズーンと重くて暗い気持ちになるんですね。後味が悪い。
主人公の女性は、たいてい私の苦手なタイプの女性でした。
読みだすと、本当止まんないぐらい面白かったです。
恋は人を壊す。
こんな文章から始まるこの小説。
人が恋愛にハマりすぎると、どうなるかが詳細に書かれていて、すごく怖いです。
どうか、私。これから先の人生、
他人を愛し過ぎないように。私は好きな人の手を強く握りすぎる。
相手が痛がっていることにすら気が付かない。
だからもう二度と
誰の手も握らないように。
-山本文緒「恋愛中毒」より引用-
主人公は、それをちゃんと頭では理解してるのに同じ失敗を繰り返してしまっている。
でも、それはある意味仕方のないことなのかもしれない。なぜなら、恋愛には麻薬作用があるからだ。
恋愛中の脳は、コカインを摂取した時と同じ状態なんだそう。
この作用のせいで、何回失恋をしても、中毒のように人は恋愛を繰り返すんだって。
恋愛が原因で、恋愛が何より最優先になって
仕事や他の事が手につかなくなることもあるだろう。
無理やり、世界一周に結び付けると・・
恋愛が原因で、楽しかったはずの旅を全然楽しめなくなった人。
恋愛が原因で、やむを得ず帰国した人。
恋愛が原因で、自分の旅のルートを変更した人。
色々な人を見てきました。
「世界一周するんだ!」って決意して出てきた人が恋愛によって、そんなことになるんですよ!
他の事の邪魔になる恋愛ならば、すっぱり切り止めてしまうのが大人の判断なんだろうけど、いくつになっても恋愛によって狂ってしまう人がいるわけで。
やっぱり、恋愛って怖い。
そう、思わずにはいられない一冊でした!
みんなは、自分を失くさないように気を付けてね~!
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